JACMセミナー「カイロプラクティック骨盤矯正セミナー」 2017-08-11

今日は日本カイロプラクティック医学協会(JACM)のセミナー開催日。

テーマは、 骨盤の歪みを理解してリスティングに沿った矯正を学ぶ「カイロプラクティック骨盤矯正セミナー」
講師は大竹城久先生(目白ファミリーカイロプラクティック院長)です。大竹先生は米国のカイロプラクティック大学で勉強しD.Cという資格を保有しておられます。今回は本格的な骨盤についての勉強です!

JACMセミナー「カイロプラクティック骨盤矯正セミナー」 2017-08-11


内容
●骨盤の変位とは
●骨盤のリスティング~ガンステッドによる分類~
●腸骨リスティングの特徴
●骨盤のモーションパルペーション
●仙骨リスティングの特徴(P-R,PI-R,P-L,PI-L,BP,S2)
●リスティングの出し方
●視診(立位・腹臥位)・触診(スタティックパルペーション・モーションパルペーション)
●浮腫とは?
●骨盤セットアップ
●腰椎分離すべり症への対応 
など。詳細を少し説明します!

JACMセミナー「カイロプラクティック骨盤矯正セミナー」 2017-08-11


大竹先生の母校、米国のパーマー大学では「Pelvic」という骨盤の授業があって、内容が主に「ガンステッド」「トンプソン(トムソン)」「ディバーシファイド」の3つに分けられているそうです。
「ガンステッド」というのは横向きでおこなう矯正法で、「トンプソン」はドロップテーブルという特殊な治療台を使ってうつ伏せで矯正します。「ディバーシファイド」は横向きでおこなう骨盤矯正もあるのですが、パーマー大学ではうつ伏せでの矯正方法を習ったそうです。
今日のセミナーは主に横向きの骨盤矯正について。ガンステッドの考えに基づいた方法を勉強しました。
リスティングというのは、カイロプラクティックの専門用語で、骨の変位(ズレ)の方向をアルファベットの略語で表現したものです。いくつか種類があるのですが、最も一般的なのがガンステッドリスティングです。
骨の変位(ズレ)ですが、仙腸関節については「動く・動かない」という議論が昔からあります。そんなに大きな動きではないですけれども、カイロプラクティックでは動くと考えています。実際、触診でも可動はわかります。
腸骨(寛骨)は仙骨に対し、仙骨は腸骨(寛骨)に対し動く。その考えがまずはリスティングのベースとなります。
骨盤を構成する骨、腸骨(寛骨)のリスティングの種類も学びました。まずは4つの基本的なリスティング (Simple Listing)。
 PI(Posterior Inferior)=後下方(寛骨がPSISを基準として後下方に動く)
 AS(Anterior Superior)=上前方(寛骨がPSISを基準として上前方に動く)
 EX(External)=外方(寛骨がPSISを基準として外側に動く)
 IN(Internal)= 内方(寛骨がPSISを基準として内側に動く)

カイロプラクティックではこのように変位をアルファベットで表します。さらにコンパウンドリスティング(Compound Listing)といってシンプルリスティングを組み合わせたものも学びました。

 PI + IN = PIIN(寛骨がPSISを基準として後方に下がりながら内側に入る)
 PI + EX = PIEX(寛骨がPSISを基準として後方に下がりながら外側に開く)
 AS + IN = ASIN(寛骨がPSISを基準として上前方に動きながら内側に入る)
 AS + EX = ASEX(寛骨がPSISを基準として上前方に動きながら外側にも開く)

骨盤の中央にある仙骨ですが、仙骨もカイロプラクティックでは動くと考えます。
仙骨のリスティングは6種類あって仙骨のどの部分が後方に変位しているのかを調べます。

もし仙骨の頭方の部分が後方に出ていれば「BP」
仙骨の右が出ていれば「P-R」
仙骨の右が出てかつ下がっていれば「PI-R」

となります。

仙骨の左が出ていれば「P-L」
仙骨の左が出てかつ下がっていれば「PI-L」

です。

仙骨全部が出ているのが「S2」です。
表記の「-」は「ダッシュ」と読みます。

まとめ
 P-R(右側の仙骨が後ろに出ている)
 PI-R(右側の仙骨が後ろに出つつ足方に下がる)
 P-L(仙骨の左側が後ろに出ている)
 PI-L( 仙骨の左側が後ろに行って足方に下がる)
 BP (Base posteriorの略語。仙骨底が後ろに出ている)
 S2 (仙骨全体が後ろに出ている)

「PI-R」や「PI-L」のように、仙骨の左右どちらかが足方に下がる「I」というリスティングがあるので、反対に頭方に上がる「S」というリスティングもあるのでは?と普通は考えると思います。でもそのようなリスティング「PS-R」「PS-L」というのはないんですね。
大竹先生が以前、日本語のテキストで「PS-R」「PS-L」というリスティングが載っているものを見かけたことがあるそうです。ですが米国の正式なテキストには書いてないそうです。

いろいろあって混乱しそうですが、基本的には左右の後方変位である「P-L」と「P-R」、それから、仙骨底の後方変位である「BP」、仙骨全体の後方変位である「S2」を押さえておくとよいとのことでした。

腸骨にもリスティングがあります。
カイロプラクティックを学んだことがある人であれば、「PI」というのはよく聞くんです。

PIとはPSIS(下後腸骨棘)が後下方に変位したもの。
ここで大竹先生がとくに重視して説明したのがこちら↓↓↓

「浮腫がしばしば仙腸関節上方にみられる」

液体状のものがそこに溜まっているので触診するとプニュプニュと感じるわけです。
おそらく、これは関節に問題があってそこに浮腫が出来たと考えられる、とのこと。
矯正が必要かどうかの判断にも使うのですね、

このように、臨床経験を交えたカイロプラクティック、骨盤の講義となりました!

JACMセミナー「カイロプラクティック骨盤矯正セミナー」 2017-08-11

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2017年08月11日